映画では本当の悪役、殺人犯を演じてみたい

外滩画報(おそらく上海の雑誌)にてインタビュー掲載。


デビューまでのいきさつはいつもの通りなので途中から。

彼はいまや役者にとどまらず、友人と共にアパレルブランド「Subcrew」を立ち上げ、トレンド・セッターとして活動初めている。
外:いまもまだ、チンピラの役や、脇役を演じているのですか?
サム:どの映画のどの役も重要だと思っている。一人でできる映画などないですから。
外:監督をやりたいそうですね?
サム:やりたいと思ったことはありましたし、その機会も一度ありました。いまはゆっくり考えています。いま持っているアイデアは、80年代のステレオタイプのストーリーを、現代風に取り直すもので、コメディものですね。
外:それで、誰に演じてもらうつもりですか?
サム:どれも男性で4人、鄭中基、陳国坤、林子聪、そして自分ですかね。まだ考えているところですけど。でも、このメンバーで撮ることができるなら、ぜひ自分が監督したい。
外:あなたは、自分で特に演じたい役はあるのですか?
サム:あります。特に、いま悪役、殺人犯の役をやりたい。映画界に入ってはや10年ですが、これはずっと夢見ていることなんです。多分、私のイメージが私の演技の幅を固定してしまっているんです。もちろん、いつも違った気持ちで演じてはいます。でも、いままでは出来ないでいた役です。悪役や殺人犯は、人生経験が必要です。経歴があり、内面がないと演じられないのです。経験のないものが演じたら、感情移入できないでしょう。
外:役者と服飾の仕事では、手が回らないのでは?
サム:工夫すれば、どちらかを選ばなければならないということはないと思っています。もし5〜6年前だったら服飾の仕事を投げていたかもしれないですね。あのときは年に5〜6本撮影していましたし、最多のときは13本撮影していましたけど、ここ2年は映画市場の景気が悪く、まったく映画が製作されませんでしたから。
外:いま、香港映画は大変不調ですね。あなたはまだ香港映画に自信をもっていますか?
サム:自信はそれほどないですね。でも私には理想はありますよ。いま、大多数の映画の出資者は失敗に終わり、損失を出しているでしょう。1本目、2本目が損失した場合、3本目に投資するでしょうか? それに、大資本はほとんどは大手の映画製作会社に投資されます。たとえば、環亜とか英皇とか。そして、彼らには、大変優秀な俳優や歌手を抱えていて、私たちが出る幕はない。全く安定した仕事は得られないのです。
外:あなた自身、映画を撮ることが好きになったのはいつからですか?
サム:『香港製造』で新人賞を取ってから2年間、ありとあらゆる映画に出演し、コメディ、ホラー、古惑仔、警察を演じてきました。私は映画でそういった社会のあらうる層の人物を演じることによって、彼らの心情がわかるようになっていったんです。私は、こういったプロセスで彼らの内面世界に深く入っていくことが本当に好きですね。いまや警察になることは無理ですが、映画を撮ることによって、彼らが1日何をしているのか、知ることができ、夢にまで見ることがあるんです。
外:あなたが演じる役はほとんどが小人物、共演クラスですが、気になりませんか?
サム:全く気になりません。主役とはどういうことですか? 主役の演技があまりよくなくても、他の共演者の演技がとてもよい、ということもあります。たとえ共演クラスで、1シーンしかないとしても、観る人に深い印象を与えることができれば、それは一種の成功だと思っています。この種の満足は、主役では味わえないものもあります。私はある決定的なシーンで、裸で一周走るというシーンをやったことがあります。観る人はそれが誰かわからかなかったでしょうが、そのシーンは深く印象に残ったはずです。
外:でも、人々はやっぱりあなたとはわからないんでしょう?
サム:本当に私が好きな人はわかってくれるんです。私には既に外国に多くのファンがいますが、彼らは私にメールをくれ、私のことが好きだと言ってくれています。私の演技が、彼らの印象にとても深く残り、特別に思ってくれているんです。これが私の原動力になっているんです。

やー。いまだかつてないコメントにびっくり。